怪しい彼女

Production note

  • 前代未聞のキャラクター 「オ・ドゥリ」誕生!
  • 韓国で全世代を虜にした懐かしの名曲のオンパレード!
  • ファン・ドンヒョク監督が明かすキャスティング秘話

前代未聞のキャラクター 「オ・ドゥリ」誕生!

 『サニー 永遠の仲間たち』で元気な80年代の女子高生を、『王になった男』で朝鮮王朝の女官を演じ、作品ごとに異なるキャラクターに憑依してきたシム・ウンギョン。今回も20歳の容姿に戻った毒舌ばあさんという前代未聞のキャラクター「オ・ドゥリ」になりきるため、数々の工夫を重ねている。まず外見。最初はおばちゃんの象徴ともいえるチリチリパーマのかつらにモンペファッションで登場し、その後、マルスンが憧れたオードリー・ヘプバーンを思わせる花柄の洋服とスカーフのオールディーズ・ファッションに変身。70歳と20歳のギャップを鮮やかに表現した。また、みずからの撮影がない日も、マルスンに扮するナ・ムニの撮影風景を見学し、彼女の一挙手一投足を吸収。クランクイン前には、みずから全羅道の方言指導を熱望し、マルスンのなまりもマスターした。その結果、マルスンそっくりな身のこなしと言い草をわがものにし、スタッフたちの賞賛を受けたという。
 半地下バンドでヴォーカルを披露する場面は、ドゥリの本当の感情が映し出されるため、彼女みずから代役を立てずに撮影することを提案した。そのため、撮影前からヴォーカルレッスンと振り付けのトレーニングに励み、自分が生まれる前の数々の名曲を消化して、観客の心に届くすばらしいパフォーマンスを披露している。「2人1役から歌と踊りまで、この作品はわたしにとってすべて挑戦でした。もう子役ではない20歳の大人として、堂々とした演技を皆さんに観てもらえると思います」とシム・ウンギョンは力強く語っている。

韓国で全世代を虜にした懐かしの名曲のオンパレード!

『カンナさん大成功です!』の「マリア」、『サニー 永遠の仲間たち』の「SUNNY」、『建築学概論』の「記憶の習作」など、作品と見事に溶け合った挿入歌は、観客に感動と喜びを与えてきた。『怪しい彼女』も1970年代に韓国でヒットした懐かしの名曲を再解釈し、観客の耳を喜ばせる。劇中、半地下バンドに合流したドゥリがみずからの十八番として歌うのは、1978年の国民的ヒット曲「ロスに行けば」。この曲の軽快なリズムに合わせるようにして、半地下バンドは次第に人気と注目を得るようになっていく。また、バラード曲の「白い蝶」「雨水」は、若くして夫と死別し、女手一つで一人息子を育ててきたマルスンの波乱万丈な生涯を代弁する。「いろいろな曲が候補に挙がりましたが、最終的に重点を置いたのは歌詞です。長い歳月を生きていれば、必ず出会いがあり、別れもある。歌詞とメロディー、そしてそこに込められた情感がぴったり合う曲を選びました」ファン・ドンヒョク監督は語る。
 ドゥリがクライマックスで歌う「もう一度」という曲は、生まれて初めてスポットライトを浴びる彼女の姿を通じて、観客にも自分が戻りたい過去の一瞬を“もう一度”思い浮かべてもらいたいという意図で選曲された。挿入歌がヒットした当時を知る中高年層はもちろん、あらゆる世代に響く普遍的な情感を伝えるため、音楽監督は昔の編曲とは異なる現代風のアレンジで、懐かしの歌謡曲をいまの世に甦らせている。

ファン・ドンヒョク監督が明かすキャスティング秘話

 これまでの作品で優れたキャスティングの手腕を発揮してきたファン・ドンヒョク監督は、本作でも“神の手”を見せている。ドゥリを演じたシム・ウンギョンについて、ファン監督は言う。「いうまでもなく、あの年代の役者の中で彼女は最高の役者だと思います。『サニー 永遠の仲間たち』や『王になった男』での卓越した芝居を見て、彼女はコメディーでもシリアスなドラマでも、分け隔てなく演じることのできる女優だという確信がありました。エンディングで魅せる繊細な芝居まで、すべてこなすことのできる女優はシム・ウンギョンしかいなかったんです」。彼は確固たるキャスティングだったことを明らかにする。また、コミカルなイメージの強いソン・ドンイルをヒョンチョル役に起用したことも周囲を驚かせた。「コミカルな芝居ができる人は、同時に深く濃い感情を持っているはず。それに彼を起用すれば、何より観客が驚くと思ったんです」とファン監督は自慢げに話す。
 スンウ役のイ・ジヌクについては、「なぜドゥリが彼に惹かれるかということを考えた時、イ・ジヌクのハンサムで完璧なイメージではなく、もう少し人間臭い役柄を演じてもらいたかったんです」と語り、そのイメージを的確にかたちにした彼を称賛する。ジハを演じたB1A4のジニョンは、大規模なオーディションを通じて選出された。「あの役をやりたがる人は多かったけど、ジニョンはオーディションですばらしいパフォーマンスを見せてくれました。初の映画出演だったにもかかわらず、時間が経つほど現場や役柄に溶け込んで、どんどん演技力に磨きがかかっていったんです」。バラエティー豊かなキャスティングを成功させたファン監督は、誇らしげにそう語っている。